日本政府の資金協力を受けて、地域医療を変える取り組みを推進します
2月26日、在カンボジア日本国大使館にて、外務省による日本NGO連携無償資金協力(N連)の贈与契約署名式典が執り行われ、在カンボジア日本国大使館の植野篤志特命全権大使とFIDRカンボジア事務所長の佐伯風土が署名を交わしました。本契約により、クラチェ州で実施中の小児外科支援事業「カンボジア北東部におけるコミュニティに根差した外科診療体制強化事業」(1年間:2025年3月1日~2026年2月28日)に対し、実施予算として245,872米ドル(約36,880千円)が贈与されることになりました。
これまでFIDRは、カンボジア北東部に住む人々が、地元の医療施設で適切な治療や手術を安心して受けられるよう活動してきました。特に最近は、州病院だけでなく、郡病院、保健センターなどの医療スタッフのスキル向上に加えて、これら医療機関「間」の連携強化にも力を入れています。
今回の取り組みでは、地域住民とのつながりをさらに深め、安心して医療を受けてもらえるよう支えていきます。活動の中心となるのは、以下の2つです。
住民にとって身近な医療機関である郡病院や保健センターのスタッフが、外科疾患についての知識を深め、適切に対応できるよう研修を行います。また、住民の皆さんが安心して適切なタイミングで受診できるよう、啓発活動にも力を入れていきます。さらに、クラチェ州周辺の病院とのつながりを強め、必要なときにスムーズに専門的な医療を受けられる仕組みづくりを進めます。
医師や看護師向けの研修を行い、さまざまな外科治療に対応し、患者さんの回復をしっかり支えられる知識と技術を身につけてもらいます。また州病院の外科に新たに麻酔器を1台追加し、2つの手術室を活用できる体制を整えることで、より多くの患者さんが手術を受けられる環境づくりを進めていきます。
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昨年に引き続き、NGOの草の根レベルの活動が日本政府の事業として認められたことは、現場で取り組む私たちや、医療施設で働くスタッフたちにとって大きな励みになることです。クラチェ州から保健局長や病院長、また外科医3名が署名式に参加しましたが、式典中の緊張した面持ちや式典後のほっとした表情から、彼らにとっても大きな出来事となったことが分かります。
引き続き、FIDRは現地の方々と手を取り合って、より質の高い医療サービスを提供できるよう活動を進めていくつもりです。
署名式の様子は現地の新聞やニュースなどで報道されました。下記のリンクからご覧いただけます。
■クメールタイムズ(英語)(現地の主要メディア)
https://www.khmertimeskh.com/501646062/japan-grants-to-boost-education-regional-healthcare/
■フレッシュニュース(英語)(現地メディア)
https://m.en.freshnewsasia.com/index.php/en/localnews/58093-2025-02-27-03-39-56.html
■在カンボジア日本国大使館Facebook(日本語)
署名式典での記念集合写真
左から活動の説明をする様子(左から佐伯所長、植野篤志特命全権大使、クラチェ州保健局局長、クラチェ州病院院長)