台湾花蓮地震の緊急援助を実施しました
2024年4月3日、台湾東方の沖合を震源とするマグニチュード7強の地震が発生し、日本でも連日報道されました。この震災に対しFIDRは、発災直後から現地で被災者への支援活動に従事していたワールド・ビジョン・台湾(以下「WVT」)を通じた緊急援助を行いました。
落石で寸断された鉄道
花蓮市内で大きく傾いた建物
震源に近かった花蓮県では、多くの家屋や道路が損壊。余震により自宅に戻れない住民もいました。また山間部では落石が発生し、主たる物資の輸送路である首都台北に通じる幹線道路と鉄道も一時寸断されてしまいました。
幸いにも、地元の行政当局は速やかに対応し、花蓮県の中心都市である花蓮市では電気・水道は発災から2~3日後、台北との間の幹線道路を含む主要な道路及び鉄道は約5日後には復旧しました。
FIDRは台湾に事務所を置いておらず、過去の緊急援助は1回のみでしたが、日本国内の方々が台湾の災害被災に寄せる心情は深く受け止めておりました。そうした中、法人賛助会員である株式会社不二家様から、台湾産パイナップル果汁を使用した期間限定商品「カントリーマアムチョコまみれザ・ワールド(アジア編)ミドルパック」の売上の一部をご寄付いただけるとのお申し出があり、支援活動の実施を決定しました。
上記の対象商品(販売期間:2024年6~11月)の販売1袋につき3円 をご寄付いただきました
WVTは、今回の地震発生以前から、経済的に恵まれない家庭(特に経済発展の難しい山間部や少数民族の人々*)向けに、子どもの学習支援や、経済面の支援を行っていたことから、その知見を生かし、以下の3つの分野を中心に緊急援助活動を実施しています。
家屋や家電・家具の損壊の被害を受けた家庭向けに、各家庭の状況を把握した上で修繕や再建のための義援金を支給し、そのフォローアップを実施。
強い揺れで恐怖や不安を抱くようになってしまった子どもたちに向けて、地震直後の子ども支援センターの設置や、ソーシャルワーカーによる心理的トラウマ回復プログラムを実施。
地域が太魯閣(タロコ)渓谷を始めとする自然美で有名な観光産業に大きく依存していたところ、震災により観光客が8割減となり、失業者が増加。織物教室やショベルカー等の重機操縦訓練など、新たな生計手段を得るためのトレーニングを開始。
※台湾には、中華民族が移住する以前からの先住民族として、独自の言語や文化を持つ16の少数民族が存在しています。多くは山岳地帯や東部に居住し、平野部、都市部の発展から大きく取り残されています。
被災した村
ソーシャルワーカーによる本の読み聞かせ
WVTオフィスにて、㈱不二家の小澤部長(中央)とFIDR今西事務局長(左から2番目)と福西職員(左端)
織物教室で新たな生計手段の習得を目指す女性
FIDRは現地に根差した活動をしているWVTとともに、震災以前より経済的に困窮していた家庭、心理的にケアが必要な子どもたちが、一日も早く安定し、安心できる日々が送れるよう支援しました。
本年2月、FIDRスタッフは、株式会社不二家の小澤営業推進部長に同行いただき台湾に出張し、支援の成果を確認しました。