プチュンバンの過ごし方
カンボジアでは、毎年9月に「プチュンバン」という、日本でいうお盆のような行事があります。家族とともにお寺に行き、ご先祖様に思いをはせ、僧侶に食べ物を捧げるのが習わしです。プチュンバンの間に私たち子孫がお供えをして積んだ功徳をご先祖様が受け取ることができると考えられているからです。
また、プチュンバンは15日間続くのですが、うち3日間が祝日で多くの人が田舎に帰省することから、遠くに住む親族が共に過ごす大切な時間となっています。今回は、私たち2人のプチュンバンの過ごし方をお伝えします。
【キーホン職員 編】
9月16日
午前中は、叔母と妹とともにプチュンバンのための伝統的なお菓子であるナムアソムを作りました(カンボジアでは、子どもに生を与え、その成長を支える存在として、両親をとても敬います。そして、親に幸せをもたらすことは、自らの人生を幸せにすることとされています。そのためこの日は、子どもが両親や親族のために料理を作ります)。私の家でも、午後には、お金やナムアソム、お米を準備し、親族や両親に渡しました。
9月17日
この日は、お寺で伝統的な儀式が執り行われるのが習わしです。朝は、僧侶へのお供用にお寺に持っていくための食事、果物、ナムアソムを用意します。私の家でも準備しました。午後は、家にいてパーティを楽しむ人や散歩する人など様々です。私は、この日は家にいましたが、妹や姪は散歩に出かけました 。
【スレイピア職員 編】
9月16日
午前3時半に起きて、午前4時にお寺へバーイバン(もち米を丸めたもの)をお供えにいく弟のためにバーイバン作りを手伝いました。弟がお寺に向かった後、午前6時に行われる最初の「ダックバット」(お布施)で僧侶に寄進する食べ物、果物、水、お金を準備して、私もお寺に向かいました。お寺から戻った後、再び料理を作り、自分たちが食べる分と祖母に持っていく分を残して、9時から10時にかけて行われる2回目の「ダックバット」のためにお寺に持ってきました。
その後、私は弟と叔母の家に行き、甥と姪の世話をし、一緒に昼食をとりました。昼食後、叔母がもち米で作った伝統菓子のナムアソムを作るのを手伝いました。午後3時30分には、翌日のお供えのため、食べ物、果物、ケーキ、ジュースを買いにマーケットに行きました。
9月17日
午前4時に起きて、午前6時にお寺に持っていくための食べ物と砂を準備しました。最初は前日と同じように「ダックバット」をしてから、お香を焚き、ご先祖様の霊を呼び戻しました。その後、持参した砂で砂山を作りました(この砂山は、カンボジアのお寺にある仏塔を模したものです)。
その後、果物、ナムアソム、前日に購入しておいたケーキ、ジュース、水、お金を僧侶にお供えする「バンクル」と呼ばれる別の行事の準備をしました。午前9時に再度「ダックバット」を行い、私はご飯を、弟はお金を器に入れて寄進しました。その後、再びお香を焚いて器にお金を入れ、ご祖先様が私たち積んだ功徳を持って、あの世に戻ることができるように祈りました。