ネパール最大のお祭り"ダサイン"
ナマステ。ネパール事務所のディナです。
ネパールでは、毎年9月から10月頃にかけての15日間(ネパール暦によって毎年日にちは異なり、今年は14日間)、「ダサイン」というネパール最大のお祭りが行われます。ダサインは、ドゥルガーという女神が水牛に姿を変えて、悪神であるアスラ(日本でいう阿修羅)と戦い、10日間の戦いの末に勝利したことを記念して、「善が悪に勝ったこと」を祝うヒンズー教徒のお祭りです。今日はダサイン祭りの過ごし方についてお伝えします。
ダサインは、(日本のお正月のように)家族でお祝いするお祭りです。外国や都市部に出稼ぎに行った人たちも帰省します。家族が一堂に集まって、贈り物を贈りあったり、ご馳走を食べたりして、家族の絆を深める大事な行事です。ネパール人はダサインの前になると、ドゥルガー女神を自宅に迎えるために、家を掃除して飾り付けたり、外壁を塗り替えたりします。また、新しい服を買うのも昔からの習わしです。
今年のダサインは10月7日から20日です。それぞれの日に名前があり、それぞれ違った儀式やお祝い行事が行われます。そのなかでも重要なのは、初日(ガタスタパナ)、7日目(フルパティ)、8日目(マハ・アスタミ)、9日目(マハ・ナワミ)と10日目(ヴィジャヤ・ダシャミ)です。
初日: 「鉢収め」の儀式を行う日です。家の中に設置された祭壇で大麦やトウモロコシなどを発芽させます。発芽した苗は、ジャマラといって、10日目の行事に使われます。
7日目: この日はバナナの茎、ジャマラ、リンゴの葉、サトウキビなど、ヒンドゥー教の9人の神様を表す植物が、国王の実家があったゴルカからカトマンズに運ばれ、お供えされる儀式が行われます。この儀式はネパール国が統一されたときから始まり、国全体がドゥルガー女神に守られているということを象徴しています。
8日目、9日目: ドゥルガー女神にヤギや水牛、鶏等の動物を捧げる日です。多くの人がこの日に、ドゥルガー女神を祭るヒンズー寺院にお参りに行き、健康と繁栄を祈ります。
10日目: ダサインのメインイベントで、家の最年長者が他の家族に対して、ジャマラを耳にかけ、ティカ(米粒、ヨーグルト、赤色の粉を混ぜたもの)をおでこにつけ、幸福や健康を祈ります。その後、みんなでご馳走を食べます。(ダサイン祭りで食べる料理はこちらでご紹介します)
今年は、新型コロナウイルス対策の移動制限が緩和されたおかげで、多くの人が実家に帰って家族とお祭りを過ごすことができました。