地域の持続的な発展につながると感じた学校教育
教室見学をする筆者とFIDRネパール事務所スタッフ。右はご案内くださった佐久穂町教育委員会渡邉委員長
昨年10月、私は他2人のネパール人スタッフと共に、初めて日本に出張しました。出張で印象深かった佐久穂小中学校訪問について、お伝えします。
10月12日の午後、私たちは佐久穂小中学校を訪問し、佐久穂町教育委員会委員長の渡邉さんに学校を紹介してもらいました。佐久穂小中学校は4つの小学校と2つの中学校を1つに統合して開校されたそうです。現在、717人の生徒が学んでいます。
学校の運動場、バスケットコート、音楽室、理科室、家庭科室、給食システム、体育館は、どれもとても印象的でした。 校舎を見学する中で、まず大きな地元の木が校舎の柱として使用されていたことや、バスケットコートがあることに驚きました。地元の林業を学ぶための森林体験学習なども行われているとのことで、同校の教育システムは、地域の自然環境保全に対する取り組みと一体になっていると感じました。
地元の大木からなる柱を囲んで
バスケットコートに驚いた体育館々
さらに、同校は、小中学校の生徒がひとつの校舎で学び、日本ではまだ数少ない取り組みである協同授業の機会も設けているとのことで、学校の教育的発展にも注力していると感じました。協同授業/活動は、学年を超えて子どもたちが話し合い意見を出しあうのが大きな特徴です。中学 2 年生と3 年生は、年長者としての責任を持って取り組んでいるそうです。学年の垣根を越えた活動を取り入れることで、学力のみならず、互いを尊重する心の醸成など、人としての成長を目指していました。 このような教育を受けた子どもたちが将来この地域を担っていくことで、地域の持続的な発展につながると感じました。
ネパールに戻ったら、この経験を地域行政と共有し、学校での実践的な学習活動、教科外活動、生徒のための給食の提供などを通して、プロジェクト地域の持続的な発展を促進する役割を担っていきたいです。