支援する
menu

ヒンドゥー教の祈りの儀式・アールティ(Aarti)

ブログを書いたスタッフ

#海外駐在員

杉田 真央

ある冬の日、ネパール人の同僚に「来週月曜日の夜、一緒にパシュパティナートのアールティに行かない?」と誘われました。

ネパール最大のヒンドゥー教寺院であるパシュパティナートへは何度も訪れたことがありましたが、夜は初めて。また、恥ずかしながら、アールティという祈りの儀式が毎晩行われていることもその時初めて知りました(「地球の歩き方」はいざ住み始めるとなかなか開かないものです…)。

また、ヒンドゥー教三大神の一つである破壊神・シヴァの日とされる月曜日の夜に行われるアールティはとりわけ特別とのこと。「行く!」と即答し、当日は終業時間と同時にパソコンをオフ。できるだけ暖かい服装をして、同僚のバイクでパシュパティナートに向かいました。

 

パシュパティナートは、寺院にお祈りにきた人、放課後の学生たち、観光客、そしてパシュパティナートの中を流れる聖河(ガンジス川の支流であるバグマティ川)に沿うように何台も並ぶ火葬台で、昼夜問わず行われる葬儀と火葬に参列しに来た人達などで、いつも溢れています。

何度みても慣れることのない光景ですが、聖河の河岸に病院などから運ばれてきたご遺体が横たえられ、親族や参列者たちの手で聖河の水によって清められ、白い布にくるまれて火葬台に置かれ、次第に大きな火にくるまれ、、、そして輪廻転生を信じてお墓を造らないヒンドゥー教徒たちの遺灰は、火葬台から目の前の聖河に落とされ、流されていく、、、というその一連の流れを、このパシュパティナートではみることができます。

“生”と“死”の意味やその境界線を、否応なく考えさせられる場所です。

.

.

そんなパシュパティナートで毎晩行われているアールティという祈りの儀式。

同僚と私は終業後に急いで駆け付けたものの、17時半過ぎにはすでに200人以上が所狭しと場所取りをしているカオス状態。不安定な足場に時折よろけながらもなんとか座る場所を確保して周りを見渡すと、意外にも大学生の若者たちが多いことに驚きました。

.

.

時間になると、群衆の真ん中で三人の僧侶がパシュパティナート寺院と聖河に向かい合うように立ち、儀式が始まりました。

.

.

スピーカーから流れる聖歌にあわせて僧侶が動くのと同時に群衆が歌いだすと、その歌声が聖河をへだてた目の前の寺院に反響して、人々の歌声がその空間全体を包み込み、一気にその場の雰囲気が神聖なものへと変わっていきました。

そしてその中心で、マリーゴールドの花びらやお香、オイルランプに灯した火をパシュパティナート寺院と聖河に捧げ一心に祈る三人の僧侶の姿は、美しく、想像以上に幻想的なものでした。

 .

儀式のあとは、一緒にいったネパール人同僚とそのいとこ・いとこの友人たちとチア(チャイ)で一息。

ネパール人の信仰心を、目、耳、肌と身体全体で感じた、月曜日の夜でした。

.

その他のスタッフブログ

  • ヒンドゥー教の祈りの儀式・アールティ(Aarti)
    2025.02.21

    ヒンドゥー教の祈りの儀式・アールティ(Aarti)

    • ネパール
    • 海外駐在員
  • 入団1年
    2025.02.12

    入団1年

    • 日本
    • 総務・経理